家具のリフォームブログ
2020年10月30日
椅子の張替:背の籐張りから布張りへ(S様邸)
椅子の修理をご依頼くださったS様はDIYの達人です。
ご自宅にあるあらゆるものをご自身で作られているそうです。
そんなS様との打ち合わせでは、「こういうことはできるの?」と様々なアイデアが飛び出してきました。その一つに椅子の背の籐張りを布張りに変えるというアイデアでした。
そこで今回は、背の籐張りを布に張替えた事例をご紹介します。
①剥がし
通常の張替同様、籐を剥がしていきます。
②土台作り
籐張りの椅子には生地を張る土台が無いため、土台を新たに作ります。
土台となる材料に型紙を当てて切り出します。切り出した土台にウレタン、生地を張っていきます。端までウレタンが詰まっていないのは、木枠に接着する部分のためウレタンは付けません。(のりしろ部分)
③完成
背の籐を生地に張り替えることで、シャープな印象から少し柔らかみのある優しい印象の家具に生まれ変わりました。
④背の布張りから籐張りへの変更について
こちらの対応はできません。
理由は椅子に彫ってある溝の幅が若干異なるためです。
籐を張る際には籐を抑える籐芯と呼ばれる部材があります。※左端写真ご参照。
布張りの椅子は溝の幅が広く、籐芯を溝にはめると隙間が生じてしまい、籐芯がうまく固定できません。そのため、布張りから籐張りへの変更は承ることができません。
せっかく修理をするのだから、思い切り印象を変えてみたいと思っていらっしゃる方は、一度お試しいただけましたら幸いです。