家具のリフォームブログ
飾り鋲
マルニ木工の家具には大小さまざまな工夫がたくさん詰まった椅子がたくさんあります。
一つだけを見ると「そんなこと」と思われるようなことも、そうした小さなことの積み重ねにより上質な家具を生み出しています。
その中でも今回は、飾り鋲についてご紹介します。
鋲の種類について
◇ 連結された鋲
[メリット]
・止める箇所が少なく作業が簡単。※1
・鋲同士が固定されているため仕上がりが均一になる。
[デメリット]
・連結している繋ぎ目が見えてしまう。※2
◇ 一つ一つ独立した鋲
※鋲同士がつながっているように見えますが、工具にセットしやすくするため、ひとつひとつのビスを白いガイドにセットされているだけです。
[メリット]
・仕上がり、見え方がきれい
[デメリット]
・一本一本打たなければならないため時間がかかる。
・鋲のラインを安定させることが難しい(職人の技術によるところが大きい。)
マルニ木工では一点一点打ち込みが必要な独立した鋲を使用しています。
連結された鋲の方が作業性ははるかに良いのですが、弊社スタッフの話を聞くと、仕上がったときの見た目が全く異なるそうです。
鋲の取り付けの工程
鋲打ちタッカーという専用の工具を使って鋲を打っていきます。
何の目印もない中で、まっすぐに鋲を打っていく様子は職人技です。
何度もお張替えをいただいているお客様ですと、鋲の穴が広がってしまい、鋲を打っても留まらないことがあります。
その時は打ち込み部分が長いものを使用することで、しっかりと鋲を留めることができます。
人の手で一つ一つ打ち込むため、機械のように均一な仕上がりになるかと言われるとそうではありません。しかしながら、このような僅かなズレは揺らぎとなり、手仕事であることが分かると同時に温かみや味わいが増し、愛される商品になっていくのではないでしょうか。