2020年12月11日

ベルサイユチェア

ベルサイユチェアは弊社の歴史を語る上では欠かすことのできない商品です。
最盛期には「どうやって売るか」ということよりも「どうやっていただいたご注文を生産するか」ということに注力するほど売れた大ヒット商品です。

そのため、現在も修理工場ではたくさんのベルサイユチェアをお預かりしています。
そんなベルサイユチェアは、修理する上でも工夫が詰まっておりますのでご紹介いたします。

背もたれの工夫

ベルサイユチェアは背もたれのフレームに対して、背表、背裏の2枚の板で挟んでいる構造になっています。(上右写真参照)
外から見るとわかりませんが、背板を外してみると、背板の取り付け方法が新仕様と旧仕様では異なります。

新仕様について
フックで背板をひっかけているので、
すぐに背板を取り外すことが可能です。

旧仕様について
フレームに対してクギで固定されているため、外す時に木のフレームを傷つけないよう、作業する必要があります。
また、取り付ける際にも、[生地を張る → 釘にて固定] という順番で作業をすると、背裏を見た時にクギの頭が見えてしまうため、[クギを打つ → 生地を張る]という順番で作業をする必要があります。

釘打ちの治具

上記写真の木の板は、背板にクギを打ちやすくするための治具です。図のように作業台に背板をのせてクギを打つと、どうしても釘が作業台に刺さってしまいます。
この治具には背板のクギを打つ箇所に穴が開いており、クギを背板に打ってもクギが背板のみに刺さるように工夫しています。

肘の修理
お客様の中には、生地は全く傷んでいないが、肘がぐらついてきたので修理してほしい、というご依頼をいただくケースがあります。

肘は背板の中でナットで固定されているので、ナットを固定するため背板を外す必要がありますが、新仕様だと簡単に取り外すことができるので作業が容易になります。

家具の中でも椅子は、お食事をされる時などで必ず使用する無くてはならない存在です。修理する際には一度お預かりをしなければならないため、お客様には大変ご負担をおかけしてしまいます。

椅子をお預かりする期間を少しでも短くできるよう、日々作業の効率化を進めております。

最後に、こんな作業効率化を工場で見ることができたのでご紹介します。

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