家具のリフォームブログ
エジンバラソファ修理 Y様邸
エジンバラというシリーズは1967年に発売したソファです。特徴的な脚のらせん柱や菊花模様の彫刻がとても印象的です。
たまたまかもしれませんが、こちらのソファの修理を依頼いただくのは若い方が多く、「このデザインがカッコいいので修理して使いたい」とお話しいただくことが多いです。
今回はエジンバラソファの張替え修理をご紹介します。
剥がす前から座面のへたりがひどいとは思っていたのですが、開けてみると案の定、スプリングが折れてしまっていました。折れたスプリングは交換します。
今回のように中を開けてみると、予想外に修理をしなければならなくなるケースもあります。
工場に入荷した際に工場スタッフより「せっかく張替えるのであれば、木部もきれいにするとグッと仕上がりの出来具合がよくなるよ」と提案があったため、お客様に相談したところ、「木部は良い感じで色が変化しているのでそのままにしてください」とのご返事でした。
工場スタッフは、すべてきれいにしたいという想いが強いですが、お客様は経年変化した木部をとても気に入っていることがあり、工場スタッフもピカピカにきれいにするだけが修理ではないのだな、とお客様から教わることも多々あるそうです。
木部の彫刻はとても凝ったデザインになっていますが、それとは対照的に背と座のクッションはシンプルで直線的なデザインです。そのため、裁断や縫製は他のソファと比べると比較的作業のしやすいソファだそうです。
一方、ベースの部分のウレタンはパーツが多く、プラモデルのように組み合わせていく作業が必要になります。
肘部分の張替え風景
へたりやくたびれていた箇所が、張替えることによってきれいに生まれ変わりました。
エジンバラの特徴でもある脚のらせん部分はすべて機械で削っています。
この「らせん状に削る」ことは非常に難易度が高く、従来の機械では溝がとても浅くなり、深く削ろうとすると刃物が焼けて溝が焦げるなど、望み通りの形になるまでには何度も機械の調整が必要だったそうです。非常に苦労して誕生した商品であったことが伝わります。
冒頭で若い方からの依頼が多いと書きましたが、当時開発したスタッフの並々ならぬこだわりが今の若い方にも伝わっているのかもしれません。