2022年2月11日

アリス LDラブチェア張替え O様邸

アリスという名前のLDラブチェアの修理をご紹介します。
ベンチのように見えますが当時のカタログを見ると、ダイニング用として製造されていたことが分かります。

籐の張替えについて

籐を張る際には、タッカーという器具でホチキスの芯のようなものを打ち込んで固定します。タッカーにもいくつか種類があり、籐張りで使用するものと、布張りで使用するものとでは器具が異なります。大きな違いは芯の出口部分。籐を張る時には溝に芯を打っていくため、先が少し細くなっています。

籐は素材そのままの状態で張ってしまうと固く切れてしまうため、一度お湯に浸け、柔らかくしてから張っていきます。張ったばかりの時にはきれいに張れていても、籐が乾いてくると切れてしまったり、たわんでしまうことがあるそうです。そのような場合には、やり直しをしなければならないこともあるそうです。

座面の張替えについて

座面は、座板・チップウレタン・ウレタンホームの3層構造になっています。 接着剤をスプレーで散布していきます。散布してすぐだと接着剤に粘着力がありません。数分経つと徐々に粘着性が出てくるので、粘着性が出てきたらそれぞれの部品を重ねていきます。

座面の端を丸く仕上げるため、ウレタンの小口面に接着剤を散布し座板に貼っていきます。

接着したウレタンに生地を張っていきます。引っ張る力や生地を留める位置など、微妙な力加減によって座面を平らに仕上げていきます。

張替えは家具の印象を変えられる数少ない機会です。張る生地によって印象が大きく変わるため、生地をご自身でお選びいただくことで、修理後もより愛着を持ってお使いいただけると思います。

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