2025年3月14日

修理をお勧めする理由

今回修理のご依頼をいただいた「アンリ チェア」は、1987年に販売を開始し、一部仕様変更などはありましたが、現在も継続して販売している家具です。

こういった現在でも販売されている家具の修理の際に、よくお客様からいただくのが「買ったほうが良いの?直したほうが良いの?」というご質問です。

私は迷わず修理をお勧めしています。
なぜ修理をお勧めしているのか、今回はその理由をご紹介します。

1:上質な木のフレーム

弊社では修理して使い続けていただくことを想定したモノづくりをしています。
長くお使いいただくと生地などは破けてしまうこともありますが、木のフレームは強固に作っているため、ぐらつきなどの不具合をメンテナンスすることで、まだまだ使用することができます。
また家具に使われる木材は通常かなり厳選されていることが多く、さらに古い家具になると、今では手に入れることができない貴重な木材で作られていることもあります。
そのような上質な木のフレームを捨ててしまうのは、大変もったいないです。

2:経年変化を楽しむ

長年大切に使用された家具の木部は、とてもきれいな経年変化を見せてくれることがあります。
どんなに費用をかけても、使われてきた方の暮らしが味わいになっている、何十年分もの経年変化を人工的に作り出すことはできません。

3:コスト
【No.2143-10の場合(生地:MBランク)】

A:修理の場合 合計 21,450
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 座面張替え(縫製あり) 21,450
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B:新規購入の場合 84,700

コストを比較すると、修理のほうが安い場合が多いです。

【No.2208-11の場合(生地:MBランク)】

A:修理の場合 合計 118,200
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 座面張替え(縫製あり) 21,450
 背籐張替え 24,200
 キャスター交換 14,300
 木部塗装 27,500
 木部割れ修理 32.400円 ※割れ具合によって金額は異なります。
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B:新規購入の場合 115,500

一方で修理項目が多くなると、新しく購入いただくよりも高くなってしまうケースがあります。この場合、新たに購入されるお客様もいらっしゃいますし、逆に「愛着があるから」とそれでも修理を選ばれるお客様もいらっしゃいます。

最後のコストはとても大事なことなので、修理と新規購入の費用が拮抗してくると、より迷われる方も多いと思います。それでもトータルで考えると、私はまずは修理をお勧めしています。理由1、2の通り、素材の貴重さはもちろん、その方だけの思い出や経年変化というお金には代えられないもの、そしてそれらがさらに引き継がれるという、修理だからこその魅力があるためです。

何より、「修理と新しく買うのと、どちらが良いだろう」と質問されるお客様の多くが、実は答えは出ていて、修理を選択するために背中を押して欲しかったのかな、と感じられることも多いです。

修理をするか迷われた時は、ぜひお気軽にご相談ください。少しだけ背中を押させていただきます。

※価格は全て20253月時点、税込み価格です。
※商品の状態により修理の内容・価格は異なります。

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